全日本剣道連盟で示された「脇構え」に対する理解の限界と安易に書いてしまった。
たった3つの文献からで結論づけてしまった。勉強していないことはたくさんあった。。。
全日本剣道連盟には剣道の他に居合道と杖道が含まれていて、全日本剣道連盟居合と全日本剣道連盟杖道の形がそれぞれ定められている。そして、形に共通していることは、「刀(太刀)の構えは剣道と同じ」とするということである。つまり、日本剣道形で定められた構えと同様とされているのである。
では、そのことをベースにおいた解説の中で、「脇構え」がどのように説明なされているのだろう。今回はとりあえず居合道に絞ってみていこうかな。
全日本剣道連盟居合で脇構えが明確に示されているのは、形の十本目「四方切り」である。ちなみに、形の要義や動作は居合道のページでまた別に取り上げることとして、ここではあくまで「脇構え」に注目する。それでは、「脇構え」が出てくるところをそのまま抜き出してみる。
後ろの敵に振り向きながら右足を軸にして左回りに回り、左足を左に踏み替えて脇構えになりながら受け流しに振りかぶり、右足を踏み込むと同時に左斜め前の敵を真っ向から切り下ろす。
この動作の直前は、敵を真っ向から切り下ろした状態であり、右足を前に踏み込み刀は床と水平の状態になっている。
なお、「全日本剣道連盟居合審判・審査上の着眼点」では、
脇構えを取ってからではなく、脇構えになりながら振りかぶっているか
となっている。
以上。
動作の過程に「脇構え」が示されているが、ここでの理合が明確に示されていない。どうして、「脇構え」になるのか。「脇構え」は構えとしてどんな利点や意味合いがあるのか。疑問が募るばかり。
たしかに、そもそも全日本剣道連盟居合は(全日本剣道連盟の)剣道人が日本刀の扱い方を知る手段の一つとして制定されたという経緯もある。したがって、全日本剣道連盟傘下の剣道・居合道・杖道における構え(竹刀・日本刀・太刀)は全て同じものとするという原則がある。したがって、構えの形式に対する説明はすべて同じになるに決まっている。だけど、知りたいのは「脇構え」の効果・利点であって、そのことに関しては皆詳細には述べていない。これから少しずつ書いていこうと思うけど、「中段」や「上段」に比べてはるかにすくない。困った困った。どんな心持ちでこの構えを修錬すればよいのだろうか。やはり、全日本剣道連盟に関する文献を調べるだけでは、この辺りは難しい(限界とは書かない!)のかな。
参考:
『全日本剣道連盟居合』(平成18年3月14日一部修正、同年4月1日施行)全日本剣道連盟、pp.28-29、p.38
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