剣道の構え :「脇構え」

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前に現代剣道の五つの構え(中段、上段、下段、八相、脇構え)を紹介したけれども、師匠の「さあ、勉強しよう」の言葉に刺激を受けて、一つずつそれぞれの構えについて勉強していこうと思う。

きっと、オーソドックスな「中段の構え」から調べた方がよいのだろうけど、あえて逆に、マイナーな方から調べてみようと思う。特別に意味はない。性格だと思う、こんなところ。

ということで、今日は「脇構え」

形式上は前に書いたとおり。 ⇨ 「剣道の構え :五つの構え1

ついさっき書いた通り、脇構えは本当にマイナーな構え。だって、全日本剣道連盟で制定した「剣道基本技稽古法」は全て「中段の構え」で行うことを明言しているし、『剣道講習会資料』でも初心者や初級者は「中段の構え」を主として教えるように示されている。そして、全日本剣道連盟で制定された最も権威的な形である「日本剣道形」で「脇構え」が出てくるのは「四本目」の序盤と、「七本目」の残心を示す部分のみである。「意味がない」とは言っていないよ。「確実にあるけど少ない」と言いたいだけ。

じゃあ、どんな特徴があるのか、どんな効果があるのか、ということを全日本剣道連盟では何て言っているのでしょう。

「刀身が相手から見えないように構え、臨機応変に相手の出方に応じることのできる強く攻撃的な構え」(『剣道指導要領』pp.40-41)

だそうである。

???

「臨機応変に相手の出方に応じることができる」「強く攻撃的な構え」

私の能力のなさなのでしょう。「どうもこの二つがリンクするように思えない。けど、色々な人の良し悪しを語り、矛盾点を叩き、評価していくことは、私が武道に向き合いたい理由にはならない。頑張って調べてみよう。「他者の良さを見つけ、自らを高め続けること」ですね。わかっていますよ師匠。

氏家道男という方は、次のように説明している。

「陽の構えともいわれ、刀身の長さを相手に知られないように構え、相手の出方に対し臨機応変に攻撃していく構え」(『剣道を知る事典』p.35)

全日本剣道連盟における「脇構え」にしては、「刀身の長さを知られないこと」「臨機応変に相手の出方に応じること」の利点を述べることに留まっている。『剣道指導要領』に書かれている攻撃的な「強く」の部分がわからない。。。攻撃力の「強さ」の解釈をすることから考えていかなければならないのでしょうか。。。このことはまた別に考えてみようと思う(忘れなければ)。

全日本剣道連盟で示された、現在の剣道における「脇構え」に関しての解釈はこの辺りが限界なような気がする。ここから先は、歴史的な経緯だとか色々な流派の構えについて勉強していかないといけないなあ…

参考:

氏家道男(2009)「構え①」、『剣道を知る事典』東京堂出版、p.35

全日本剣道連盟編(2017)『剣道講習会資料』全日本剣道連盟

全日本剣道連盟編(2008)『剣道指導要領』全日本剣道連盟、pp.40-41

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